データ作成ガイド(Illustrator編)
ご入稿の前に
保存時のご注意
印刷に対応したファイル形式[ai / eps / pdf] で保存してください。また、保存した後に、データが破損していないか、最終のレイアウトで保存されているか、データを開いてご確認ください。印刷に不要なレイヤーやオブジェクトは削除して別名で保存してください。
上書き保存をすると、アウトライン化されたフォント等、データの再編集ができなくなります。
ファイル名の環境依存文字に注意
Illustratorはファイル名を参照してリンクファイルを認識しています。このファイル名に環境依存文字を使用すると、データを開く環境によっては文字化けが起こり、ファイル名が正しく表示されない可能性があります。
・ファイル名は、日本語(全角)なら15文字、英数なら31文字までを目安にしてください。
・環境依存文字の代表的なものは、丸囲み数字、ローマ数字、単位、括弧囲み文字などがあります。
推奨保存形式[ai]
Illustrator標準の保存形式です。作成したデータの機能を失わずに保存することが出来ます。
1.拡張子が「.ai」となるフォーマットを選んで「保存」します。
2. オプション設定画面を次のように設定してください。
バージョン:必ず作成したバージョンを選んでください。
下位のバージョンで保存されると、そのバージョンにない機能が失われ、データに不具合が生じることがあります。
フォント:100%(Illutrator入稿ではフォントのアウトラインをすべて作成してください)
オプション:PDF 互換ファイルを作成【任意】
チェックを入れるとファイル容量が大きくなりますが、PDF に対応したソフトでデータを確認することができます。InDesignに配置されるときは必須です。
配置した画像を含む【オフ】
リンクで配置した画像があるときに選択できます。チェックを入れるとファイル容量が大きくなります。
※InDesignにIllustratorデータを配置するときはチェックを入れてください。
ICC プロファイルを埋め込む【オフ】
圧縮を使用【任意】
チェックを入れると保存時間が遅くなりますが、データを劣化させずに容量を小さくできます。
見本をご用意ください
jpg、PDF やFAX 送付など、仕上がりが確認できるものを一緒にご入稿ください。
表裏、天地の関係や、折り位置、穴あけ位置など、加工に対する指示も明記してください。
仕上がりサイズの設定
新規ドキュメント作成時のアートボードサイズを、仕上がりサイズに設定してください。
ドキュメントのカラーモードはCMYK に設定してください。カラーもCMYK に設定してください。
アートボードを基準にレイアウトされない場合は、仕上がりトンボを作成してください。
仕上がり上に、枠線を入れたり、仕上がりでマスクをかけたりする必要はありません。
アートボードと仕上がりトンボがある場合、アートボードとトンボの位置がずれないようご注意ください。
仕上がり位置の罫線は削除してください。実線のまま残しておくと印刷されてしまいます。
仕上がり位置はアートボードでレイアウトされるか、ガイドを活用されることをおすすめします。
フォントのアウトライン化について
データを作成したパソコンと異なる環境のパソコンで開くと、フォントが正しく表示されなかったり、文字位置のズレが生じたり、文字化けを起こすことがあります。
フォントのアウトライン化は、フォントを図形化するため、異なる環境でも形状を崩さずに表示・出力できるようになります。
※フォントのアウトライン化を行うと編集ができなくなりますので、別名で保存またはファイルのバックアップを行ってからアウトライン化してください。
フォントのアウトライン設定
1. レイヤー、テキストにロックがかかっていないことを確認してください。
2. アウトライン化したいテキストオブジェクトを選択します。
※「選択」メニューの「すべてを選択」で、まとめてアウトライン化されることをおすすめします。
3.「書式(文字)」メニュー→「アウトラインを作成」
※「右クリック」で「アウトラインを作成」も可。
<注意>グラデーション設定の文字に注意ください。 | フォントをアウトライン化すると、文字がグラデーションになってしまうことがあります。(アウトライン前はグラデーションになっていません)アウトライン前に、フォントの塗りの色設定がグラデーションになっていることが原因です。 ※Illustratorでは、グラデーションのキーボードショートカットにピリオド「.」キーが割り当てられています。 フォントを選択したまま「.」キーを押してしまうと、グラデーションが設定されます。 |
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下図のように、パスで囲まれた状態になれば成功です。
4. アウトラインの確認
※フォントがすべてアウトライン化されていない文字がないか、確認・検索することができます。
「書式(文字)」メニュー→「フォント検索(フォントの検索・置換)」
ドキュメントのフォント(使用中のフォント)が空欄になっているか確認してください。
フォント名が表示されていれば、データにアウトライン化されずに残っているフォントがあります。
フォント名を選択して「検索」をクリックすると、フォントが使用されている場所に移動できます。
その他
【孤立点】
テキストツールでクリックして、文字を入力せずに別のツールに切り替えると、「孤立点」と呼ばれるフォント情報が残ってしまいます。プレビューでは何も表示されていないところに不要な点が印刷されるなど出力時のトラブルの原因となりますので、孤立点は削除してください。
【非表示のフォント】
不要な文字やレイヤーは削除してください。
アウトライン化できない文字
通常の手順「書式(文字)」メニュー→「アウトライン作成」でアウトライン化できない文字がある場合
エンベロープを使用したフォントは「オブジェクト」メニュー→「エンベロープ」→「拡張」でアウトライン化してください。
(「オブジェクト」メニュー→「透明部分を分割・統合」でもアウトライン化できます。)
または、アウトライン作成後にエンベロープを使用してください。
グラフの文字
グラフツールで入力された数値は、「オブジェクト」メニュー→「グループ解除」を行ってからアウトラインを作成してください。
ただし、グループを解除すると、グラフとして編集できなくなりますのでご注意ください。
オブジェクトパターンの文字
パターンに登録されたフォントは「オブジェクト」メニュー→「分割・拡張」を行ってからアウトラインを作成してください。
パターンを登録する前にアウトライン化されることをおすすめします。
これらの機能に含まれたフォントは「書式(文字)」メニュー→「フォント検索(フォントの検索・置換)」や「ドキュメント情報」パレットで、検知されない場合があります。そのままご入稿されますと正常に出力できないことがありますので、ご使用には十分ご注意ください。
配置画像について
リンクで配置した画像は、すべて入稿していただく必要があります。リンク画像が揃っていないとリンク切れとなり、画像を表示・印刷できません。
リンク画像の確認
Illustrator のリンクパレット(「ウインドウ」メニュー→「リンク」)を使用して、画像の配置状態を確認できます。リンク状態の画像ファイル全てが、ご入稿データの中に揃っているかご確認ください。
正常にリンクで配置されている場合、リンクパレットには何もマークが表示されません。リンクパレットで確認できるものと同じファイル名の画像をご入稿ください。
▲マークが表示されている場合、画像ファイルがIllustratorファイルに埋め込まれた状態で配置されています。埋め込み画像のファイルはご入稿いただく必要がありません。
?マークが表示されている場合、リンク画像を読み取ることが出来ない状態です。画像を再配置するか、Illustratorファイルと同一階層に画像ファイルを移動させてください。正常にリンクされたことが確認できましたら画像ファイルを送信ください。
!マークが表示されている場合、リンク元の画像ファイルが変更されています。Photoshop等で修正を加えた際は、リンクを更新してください。
※印刷の適正な解像度は350~400dpiです。
※ポスターなどは離れて見るので200dpiほどでも問題ありません(大きなサイズの画像を400dpi以上にすると、データ容量が非常に大きくなり、作業環境に負担がかかります)。
※72dpiはスクリーン解像度といって、WEBなどで用いられる画面表示用の解像度です。モニタではきれいに見えていても、印刷には不十分ですので、粗い、ドットが目立つ仕上がりとなり、文字などは読めなくなることがあります。ホームページの素材を印刷に流用した時によく問題となります。
Illustratorで確認(配置したサイズでの画像解像度)
「ウインドウ」メニュー→「ドキュメント情報/書類情報」のオプションメニューで「埋め込まれた画像」を選ぶと、Illustratorで拡大・縮小した後の、実際のサイズに対する解像度をチェックできます。Illustrator上での拡大・縮小は画像劣化の原因となり、データ容量に大きく影響します。拡大・縮小は70%~130%くらいにとどめ、画像サイズはPhotoshopなどを使ってできる限り元の画像ファイルで調整してください。
モノクロ設定
ブラック(K)1 色刷り面はグレースケール(CMYK のK 版のみを使用した色指定)で作成してください。
【OK の場合】

【NG の場合】


Illustrator でグレースケール変換手順
4 色で作成されたデータを一括でグレースケールに変換することができます。
パターンやグラデーション、アピアランス効果によってはグレースケール変換できないことがあります。
画像は埋め込みで配置された画像のみ変換可能です。
1. ロックがかかっているところがないか確認してください。
2.「選択」メニュー→「すべてを選択」もしくは該当部分を「選択ツール」で選択してください。
3.「フィルタ」メニュー→「カラー」→「グレースケールに変換」(~ CS2)
「 編集」メニュー「カラーを編集」→「グレースケールに変換」(CS3 ~)
※変換結果はIllustrator に依存します。変換結果をよくご確認ください。十分な変換結果を得られない場合は、個別に色指定を調整してください。特に画像の変換では大きく色味が変わることがあります。Photoshop でグレースケール変換を行ってから配置されることをお勧めします。
【注意】
一度グレースケールで保存すると、元のカラーの状態には戻せません。別名で保存するか、ファイルのバックアップをとってからグレースケールで変換してください。
グレースケールの確認
「ファイル」メニュー→「ドキュメントのカラーモード」が「CMYK カラー」になっていることをご確認ください。
Illustrato CS4 以降は「分版プレビュー」パレットを使用してグレースケールで作成されているか確認することができます。
「ウインドウ」メニュー→『分版プレビュー」
「オーバープリントプレビュー」にチェック☑を入れ、Black 版を非表示にします。
「OK」の場合→何も表示されない状態になります。
「NG」の場合→Black 版以外を使用して作成されている部分の色が残ります。